<ケイビングとは>
 洞窟を探検することを「ケイビング」と言います。ケイビングには、スポーツ的な要素だけでなく、地質図や昔の記録や人々の話から未発見の洞窟を探すこと、見つけた洞窟を測量して図面を作ることなども含まれます。さらには、ケイビングを行うにあたって必要な、装備の管理、気象や地質の知識、エマージェンシー対応、コミュニケーション能力、渉外スキル、チームワークなど多岐にわたります。これら、ケイビングをする人のことをケイバーと言います。

<探検技術>
 洞窟の研究や調査をするためには洞窟に入らなければなりません。しかし、洞窟は光の無い真っ暗な世界です。その中で大きな岩を乗り越えたり、狭いところを進んだり、川を渡ったり、竪穴を降りたりしなければなりません。 さらに、洞窟の中では、迷ったり怪我をしたりしても携帯電話は通じず、ヘリコプターを使うこともできません。事故を起こすと救助が困難になるため、事故を起こさないために、活動の計画をしっかり立て、天候によって増水の危険を予測し行動を管理すること、洞窟の中で寒さや暑さで行動不能にならないように、装備や体調をきちんと管理すること、段差や竪穴、水のあるところで安全に活動ができるように装備と技術を整えることが、とても大切です。

<救助技術>
 もちろん、仲間や同行者を助けられるよう、洞窟救助技術を習得しておくこともケイバーには求められます。各団体や洞窟救助委員会などが主催する講習会では、洞窟内でけが人等が発生したことを想定した訓練が定期的に行われています。

<装備やテクニックの更新>
 洞窟探検技術と装備は、常に改良され発展しています。ヘルメットやライトなどの基本装備はもとより、竪穴、ケーブダイビング、洞窟救助で使う機材やテクニックは数十年前と大きく異なってきています。また、ロープ、衣類、食品、保健衛生のなどの分野についても新しい知識が必要となります。これらの新しい情報の入手方法は、ケイビング機材のメーカー(主に海外)のサイトやケイバー同士の交流に寄るところが大きいようです。

<環境への配慮>
 洞窟を探検する時は、洞窟を傷つけないように細心の注意をして行動します。洞窟は長い時間をかけて作られ、一度壊してしまうと元に戻りません。そのためにも、洞窟を探検する人は探検技術だけではなく、洞窟の成り立ちやそこに生きる生き物たちなど、洞窟全般について知識を持つことも必要です。

<洞窟測量>
 誰も入ったことがない洞窟は人類未踏の誰も知らない世界です。そんな未知の空間を探検するために、ケイバーは、測量器具を用いて洞窟の全貌を把握できる図面を作ります。 測量して出来上がった図面は、その後に行われる様々な洞窟調査の基礎となります。

<洞窟写真>
 また、ケイバーは写真で記録を残すこともあります。真っ暗な中で撮影するためには、特別な機材やテクニックが必要になります。技術に長けた人は洞窟写真家になり、洞窟写真という芸術作品を生み出します。