会長挨拶:2026-2027 石原 与四郎

今期、会長を承りました石原与四郎です。前体制から引き続き、2期目となりますが、どうぞよろしくお願いいたします。専門は地質学となりますが、洞窟に関しては最近は洞窟遺跡の地層の研究や石筍の形成に関する研究を行っております。
さて、日本洞窟学会は前年度までには、専門部会の設立や、洞窟学会創立50周年記念大会(秋吉台大会)などの大きな取組がありました。専門部会は、会員相互の情報交換や交流を目的として設立され、現在では専門分野に基づく部会に加え、会員の希望により設立された専門部会も活動しています。専門部会には複数所属することが可能であり、洞窟学全般にわたる学習や交流の場として機能しています。また、専門部会によるオンライン講演会も実施され、活発な部会では、会員からの企画提案が行われるなど、着実な成果が見られています。引き続き、会員の皆様には、関心のある専門部会に積極的に参加していただき、研究および交流を深めていただければと思います。
記念すべき創立50周年記念大会は、実に15年ぶりに秋吉台科学博物館において開催されました。大会では、近年、観光洞において問題となっている照明植生に関するシンポジウムが行われたほか、来賓をお招きしての記念式典や感謝状の贈呈などが実施されました。その結果、参加者数は10年ぶりに100名を超えました。このような取組の中で、全体として減少傾向にあった会員数も昨年度にかけて徐々に回復し、会員活動も活発化してきているものと考えています。一方、創立50周年記念大会にご出席いただいた来賓の先生からは、「一部の愛好家のみの団体にとどまらず、幅広い分野に展開できる開かれた学会を目指すべきである」との宿題とも言える御意見を頂いております。
今後に向けて取り組むべき課題もいくつか残されています。その一つが、洞窟学会組織のスリム化および効率化です。かつて日本の洞窟学界は、超人的とも言える研究者や洞窟探検家に支えられ、多くの成果が挙げられてきました。洞窟学会の運営においても、一部の熱心な評議員や会員、事務局に大きな負担が集中してきたという側面があります。しかしながら、近年求められるコンプライアンスの維持や、持続可能な学会運営を実現するためには、組織の効率化や学会内各部局の位置づけの見直しが不可欠です。また、現在維持している会員数についても、必ずしも安心できる水準とは言えず、特に学術分野における会員数の減少は憂慮すべき課題となっています。先に述べた会員交流の促進や、洞窟学会としての成果の社会への発信も、引き続き重要な課題です。
会員の皆様におかれましては、安全な洞窟活動を念頭に置き、引き続き洞窟学会の活動に対するご支援とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

