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生物学


 洞窟には様々な生物が生息しています。栄養分が少ないため個体数は少ないですが、洞窟特有の様々な生物を見ることができます。各種のコウモリや、目が退化したり体表の色素が薄くなったりした虫たち。真洞窟性生物、好洞窟性生物、周期性洞窟生物、外来性洞窟生物などがいます(ポスター参照)。洞内では、コウモリの糞の堆積物(グアノ)は、洞内生物の貴重な栄養源となるので、多種多様な多くの洞窟生物が集まってくるを観察することができます。

 また、洞壁には放線菌という微生物が繁殖しているのを見ることができます。洞窟特有の土臭い腐葉土のような臭いは、放線菌の作る成分です。またグアノの中には、硫酸をつくり、洞内に石膏を蓄積する微生物が生息しています。トウファという年輪構造を持つ鍾乳石を洞口付近に作る光合成微生物(シアノバクテリア)もいます。ムーンミルクというクリームチーズ状の柔らかい鍾乳石も微生物の働きによると考えられています。

 なお、グアノの上にはカビ(糸状菌)が発生していることがあります。熱帯の洞窟に生息するヒストプラズマのような病原性の強いカビは、幸い日本の洞窟では発見されていませんが、胞子を吸い込むとアレルギーや喘息発作の原因になることがあるので、見つけてもカビに近づかないようにしてください。
IYCK生物ポスター画像
IYCKポスター「洞窟と生物」
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