Header Menu

Journal of the Speleological Society of Japan
洞窟学雑誌アブストラクト



3

YAGINUMA, T.
Spiders from Tuff and Wave-cut Caves of Southern Kyushu,Japan(I)
上野俊一博士(国立科学博物館),入江照雄氏(熊本県立教育センター)らによる南九州の洞窟(主として凝灰岩洞,少数の海食洞をまじえ る)の動物の調査(1971-1977)がおこなわれたが,そのうちの真正クモ類の同定をする機会を得た.現在まで15洞から,13既知種,3新種を確認 したが,ほかにCybaeusCoelotesは,雌雄いずれか一方なので,他の性 の標本が得られるまで種決定を保留する.全体を通じてLeptoneta iriei  KOMATSUがもっとも優性で,ほとんどすべての洞窟に見られる.多少の個体差はあるが,本質的には原記載に一致するし,タ イプ標本の得られた同じ洞窟の個体と比較しても同種であることが確認される.3新種のうちの2種はLeptonetaで あるが,その1種はSarutana typeである.1種はCicurinaで明ら かにC. japonicaとは異なる.これらの新種は次の機会に第2報として発表の予定である.Cybaeusの3種のひとつは山口県秋吉台洞窟のものに,他のひとつは四国のはずまの穴や稲葉洞のものに近似し,さらにひ とつは屋久島産のものに似ている.一方の性のみなので確言はできないが,系統がまじっているように思われる.鵜戸神宮のものはすべて地表種で,偶然に入り こんだものか,入口付近での採集によるものであろう.この洞窟のみは例外として,凝灰岩洞,海食洞,石灰洞のファウナに大きいちがいは見られない.ただ石 灰洞にふつうな長肢系のNesticusは,今回の調査では発見されていない.