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日本洞窟学会へようこそ


新会長あいさつ

日本洞窟学会会長 染谷 孝

(佐賀大学農学部 教授)

 

 国民の皆さん、日本洞窟学会の会員の皆さん、第19期(2014年〜2015年)の会長に選出された染谷です。今期は、浦田健作・近藤純夫両副会長とともに、また評議員会、各種委員会、事務局の皆さんと協力しながら、本会発展のために力を尽くしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 さて染谷の専門は土壌微生物学・環境微生物学ですが、実はこれは道を誤ったかと真剣に考えたことがありました。それは、かつて東北大学の大学院(土壌微生物学研究室)に合格した年の早春、仙台に向かう車内で、たまたま買っておいた岩波新書を読んでいたら、自分の向かうべき方向は違っているのではないかと思ったのです。その本は、吉井良三という京都大学の先生が書いた「洞穴学ことはじめ」でした。洞窟内にすむ小さな虫(トビムシ)を探して全国各地の洞窟を調査して回る話で、いやその面白いこと! 道具も技術も発達していない時代から、文字通り手探り状態で洞窟探検をしながら、洞窟生物学という学問分野を作っていくエピソードの数々は、魅惑的で衝撃的でした。仙台に行くのは早まったのではないかと思ったことでした。

 残念なことに染谷は進路を京都大学に変更せず、そのまま東北大学の大学院を終えました。その後、北九州市にある私立の医科大学に着任してから、浦田健作さんたちが率いるカマネコ探検隊と出会い、平尾台を中心に洞窟探検の手ほどきを受けました。ここで念願の「洞穴学ことはじめ」の世界に触れることが出来て、本会にも入会しました。さらに、自分の専門に関係深い事象もたくさんあることが分かってきました。洞内放線菌、トウファ、ムーンミルクなどなど。これらを研究するのは洞窟微生物学(cave microbiology)という学問分野になりますが、いつか「洞穴微生物学ことはじめ」という本を出したいものです。

 本会の前身は1956年に設立された日本洞窟地下水研究会(The Speleological Society of Japan)で、1975年に日本洞窟学会(The Speleological Society of Japan)として発足し、国際洞窟学連合(UIS)の一員になりました。当時日本には日本ケイビング協会(Japan Caving Association:1959年設立)と日本洞窟協会(The Association of Japanese Cavers:1978年設立)という組織もあり、それぞれ特色がありましたが、これらが本会と大同団結して新生日本洞窟学会が1996年に発足し、さらに日本火山洞窟学協会(現、NOP法人火山洞窟学会:NPO Volcanospeleological Society)の協力のもとに、洞窟科学と洞窟探検に関わる全国組織となりました。本年は創立39年、合併後18年になります。このような伝統ある学会の会長に就任し、身の引き締まる思いです(でも腹囲は凹まず、洞内でしばしば往生しますが)。

 さて、本会は現在、解決すべき様々な問題を抱えています。会員の除名という本会で初めての重い決断もしなくてはなりませんでした。また、大小の洞窟事故があとを立たず、洞窟事故防止は本会の最重要課題の一つです。関連して、洞内マナー向上、救助体制・技術の向上・普及、洞窟の保護・保全、洞窟管理者(自治体、地主)との連携も、各地で進めていく必要があります。また、大会開催地がなかなか決まらない問題も解決しなくてはいけません。また、ケイビングの普及啓発の上で大きな役割を果たしているケイビングジャーナル誌は編集体制がさらに充実し、若いパワーで生き生きとした紙面が期待できます。一方、洞窟科学の発展に関しては、若手研究者の育成、学会誌(洞窟学雑誌)のプレゼンスの向上、海外との連携強化も課題です。これらの解決には、組織として計画的に取り組みつつ、個々の会員の地域での創意工夫をこらした活動を支援していく体制づくりも必要です。なによりも、洞窟探検のワクワク感をより多くの国民に広め、安全で知的な野外活動として発展させるために、また地球史を解き明かすユニークな学問分野としてますます発展させるために、皆さんのいっそうのご協力・ご支援をお願いいたします。

2014年2月10日


過去の会長挨拶


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