洞窟Q&A(地質・地理・化学・物理)
- 洞窟内の空気は、一般的に二酸化炭素濃度が高いと聞きました。
それから、地上の空気には普通ない物も含まれていると聞いたのですが、本当ですか?
- ヒマラヤやアンデスなどの高所にも洞窟がある可能性はありますか?
気温が低くて水が流れにくいとは思うのですが、有りそうなら調査して
みたいのです。
- 非石灰岩の中の石灰岩の小岩体が溶け去って穴になっていたら、なんと呼ぶのですか?
- ボルネオのムルに光カルストというものがあるそうですが、どういったものですか?
- 玉泉洞の川の水の成分は、地上の川の成分と違いますか?
- アイルランドのバレン地方は石灰岩地域としてどのくらい重要性がある地域でしょうか?
- キーホールパッセージに似た形状の通路で、8の字の底の部分に土が堆積した形状はどのような経緯でできるのでしょうか。
- 乳白色の鍾乳石に強い光を当て消した後に薄緑の蛍光色に光りますが、何故ですか?
- 洞窟内で突然パコーンというかカシャーンという音を何度か聞きました。これは何の音ですか?
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洞窟内の空気は、一般的に二酸化炭素濃度が高いと聞きました。
それから、地上の空気には普通ない物も含まれていると聞いたのですが、本当ですか?
- 回答 : 吉村和久
大気中の二酸化炭素濃度は、現在0.037%です。それに対して、
洞窟の中の大気の二酸化炭素濃度はその10倍以上になることがあります。
土壌層での有機物の分解などで濃度の高くなった二酸化炭素が、
岩の割れ目を通じて洞窟まで運ばれるからです。
地下水に溶けて洞窟に到達するのも重要な過程です。
石灰岩の中には微量ですがウランが含まれています。
このウランの放射壊変の過程で生成するラドンという強い放射能をもつ気体
(ヘリウム、アルゴン、ネオンなどと同じ希ガスの仲間)
が洞窟の壁から放出されています。しかし、
日本の石灰岩のウラン含量は極めて低く問題にはなりません。
日本では例がありませんが、洞窟内大気のラドン濃度が安全基準を越えるような観光洞窟では、
定期的に換気をしているそうです。
- ヒマラヤやアンデスなどの高所にも洞窟がある可能性はありますか?
気温が低くて水が流れにくいとは思うのですが、有りそうなら調査して
みたいのです。
- 回答 : 浦田健作
一般に石灰洞は石灰岩が,ニ酸化炭素を含んで酸性になった水の溶食作用によって形成されますから,
石灰岩が分布しても,ニ酸化炭素を生産する植物や土壌生物,
そして液相の水が存在しない地域には石灰洞は形成されません.
雪線を越えるような高地は,極地や極度の乾燥地域とともに,
石灰洞の形成はおこなわれていないでしょう.
世界の山岳地域でこれまで規模の大きい洞窟が発見されているのは,
アルプス,ピレネー,コーカサス,ロッキー,メキシコ高原などですが,
洞口(多くの場合,洞窟の最上部)の標高は大部分が
1,500mから2,500mの範囲であり,高地といっても夏に融雪する環境に石灰洞が形成されやすいようです.
ヒマラヤにはチョモランマの山頂直下まで石灰岩が分布しますが,
石灰洞が報告されているのは標高3,000m付近までで,イギリス隊の遠征報告によると,
標高4,500m以上にはカルスト地形は存在しないそうです.
アンデスでは標高3,992mに開口するペルーのmillpu de Kankiran
(高度差402m,長さ2,140m)が,規模の大きい洞窟としては最高所に位置するようです.
このように標高4,000mを越えるような高山地域では石灰洞は形成されにくいと考えられますが,
高山は隆起地域であるため,古い時代に現在よりも低い位置で形成された後,
山地の隆起とともに高所に持ち上げられた石灰洞(化石洞窟)が存在する可能性はあります.
もしこのような洞窟が発見されると,その地域の環境変遷,
地殻変動の過程を知る上で重要な意義を持ちます.
石灰洞以外の洞窟では,高山の急斜面は重力的に不安定で崩壊を繰り返しているため,
深いクラック状の割れ目洞窟が形成されている可能性があります.
また山岳氷河のクレバスやムーラン,融氷水路トンネルのような氷河洞窟が発達します.
- 非石灰岩の中の石灰岩の小岩体が溶け去って穴になっていたら、なんと呼ぶのですか?
- 回答 : 浦田健作
- 空洞の成因に関らず,洞窟が形成されている岩石の分類に注目すれば,
チャート洞,花崗岩洞など,岩石名をつけて呼ぶ.
- 空洞の成因に従えば,石灰岩の溶食によって形成された洞窟なので,
石灰岩溶食洞または溶食洞.
「石灰洞 limestone cave」の定義は,岩石の分類に従えば
「石灰岩中に形成された洞窟」,
石灰岩に顕著な溶食作用を重視すれば「石灰岩の溶食によって形成された洞窟」
の二つが考えられます.上記洞窟は後の定義では石灰洞ですが,
前の定義では石灰洞ではありません.定義によって意味が変わるので,
石灰洞とは呼ばないほうがいいでしょう.石灰洞と呼ぶなら,
何らかの注記をつけたほうがいいでしょう.
- ボルネオのムルに光カルストというものがあるそうですが、どういったものですか?
- 回答 : 浦田健作
「光カルスト」について質問をいただきましたが,
私も現在研究中で十分な回答ができませんが,現時点でわかっていること考えていることを書いてみます.
私の観察では,「光カルスト」と呼べる形態は大きく2種類に分けられます.
一つは釘状に突き出した石灰岩,もう一つは光の方向に突き出して成長した鍾乳石です.
前者は石灰岩が侵食されて溶け残った部分で,「光カレン photokarren」
と呼びます.後者は逆に沈澱によるもので,「光鍾乳石 photospeleothem」
と呼びます.
なお,「光カルスト」は正しくは「光指向性カルスト light oriented karst」
と呼んだ方がいいでしょう.
ムルで phytokarst(植物カルスト)または photokarst(光カルスト)
と呼ばれているものは,
洞窟の入口付近で石灰岩が光が入射する方向に向かって数cm〜10cmくらいの長さで針状,
釘状に多数突き出している形態です.
私の分類ではこれは「光カレン」です.
このような形態については世界各地からいくつか報告があり,
近年では中国で研究が進展しています.
日本でも沖縄,九州,山口,岡山,奥多摩,岩手で確認しました.
カルスト地形として普遍的な形態のようです.
特に沖縄ではムルなみによく発達して,長さ10cm以上のものもあります.
しかし,形成メカニズムについてはあまり研究されておらず,
光の入射する方向に発達すること,藻類が生育していること,
顕微鏡で見ると生物のフィラメントが岩石中に侵入していることから,
光合成生物による侵食が原因であろうと考えられていますが,
具体的な機構についてはわかっていません.
光カレンの形成メカニズムについては,私は光合成生物
(シアノバクテリア,藻類など)
が生産する何かの酸によって石灰岩が溶食されているのではないかと考えています.
この酸は二酸化炭素による炭酸ではないでしょう.
なぜなら光合成は二酸化炭素を吸収して酸素を排出する反応ですから,
光合成が活発に行われると空気中および岩石表面の水分中の二酸化炭素が消費されて,
水に溶けていた炭酸カルシウムが沈澱し,鍾乳石が形成されます.
この鍾乳石が光の射す方向に向かって発達する光鍾乳石です.
しかし光カレンが形成されている場所には鍾乳石の沈澱は見られないので,
光合成による沈澱をうわまって溶食作用が進行しているものと考えられます.
光合成生物は呼吸によって二酸化酸素を生産しますので,
夜間にはより溶食作用が進行するのかもしれません.
何のために彼ら(光合成生物)が石灰岩を溶かすかはわかりませんが,
くぼみをつくって住処とするのではないでしょうか.
単に光が当たる場所を好むだけなら溶食は面的に進行するはずですから,
カレンはできません.
おそらく最初から石灰岩表面の凹部を好んで生育したのだろうと考えています.
その意味では光合成生物による一般的な形態が光鍾乳石で,
穿孔性の光合成生物による形態が光カレンになるのではないかと思っています.
なお,石灰岩の溶食には水が必要ですが,流れるほどでなくても,
湿っている程度でも溶食は進行します.空気中の湿気による溶食作用
(凝結溶食consendation corrosion)も報告されています.
日本の光カルストについては全く報告されていないので,
分布と形状についての記載論文を作成するために資料を集めているところです.
もしどこかで見かけましたら御連絡下さい.
しかし形成メカニズムについては,生物研究者,
化学研究者と共同で取り組まなければ具体的には解明できないでしょう.
どなたか生物関係で興味を持ちそうな方がいらっしゃいませんでしょうか.
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僕は、沖縄の玉泉洞に行きました。玉泉洞の中を流れる川の中に、えびやさかながいました。
玉泉洞の川の水の成分は、地上の川の成分と違いますか。
石灰分がたくさん含まれているのではないのですか。
もし、石灰分が多いのなら、その中で生きているえびやさかなは、地上の川にいるえびや魚と違うところがあるのですか。
僕は、どうしてかたまらないのか不思議でした。
- 回答 : 吉村和久
玉泉洞の中を流れる川は,水1リットルあたりおよそ0.2グラムの石灰岩を溶かしています。
したがって,水を1リットル蒸発させると,0.2グラムの石灰分が白いかたまりとなるのを見ることができるはずです。
では,どうしてかたまらないのでしょうか。
地下の川にすんでいるえびや魚が,地上の川にいるえびや魚と違って,特別のことをしているわけではありません。
えびや魚をさわるとヌルっとしますね。
これは,それぞれの生き物に特有の有機物(この言葉はむつかしいかもしれませんが,
生き物が自分自身でつくりだしているものです)がからだの表面にあるからです。
だから,石灰分がくっついたとしても,かれらが動き回っている間にはがれおちてしまいます。
したがって,石灰分でかたまることはないのです。
ただし,石灰分がくっつく速さがとても大きいと,石灰分で固まることもあります。
玉泉洞ではありませんが,それを,沖縄の一番南の日本百名水でも有名な泉「垣花樋垣(かきのはなひーじゃー)」
で見ることができます。泉から流れ出た水が流れ落ちる場所にカワニナ(巻貝の一種)がたくさん住んでいますが,
よく観察すると,カワニナの表面には石灰分がたくさんついて丸まると太っている様に見えるものがあります。
入り口が石灰分でふさがっているものまであります。
私達は,この泉で石灰分がかたまるのがなぜ速いかを研究しました。カワニナの表面をみると少し緑色をしています。
藻(も)のなかまが住んでいるからです。太陽の光がとどくところで,このような藻が活動(光合成)すると,
石灰分の固まるのが速くることがわかってきました。
逆に言うと,光の届かない地下では,生きているえびや魚を固めてしまうほど速く石灰分が固まることはありません。
少し難しかったかもしれませんが,これがあなたからの質問の答えです。
いろいろ見たり聞いたりした時に,「不思議だな!どうしてだろう?」と思うことはとても大切です。
これからもいろいろなことに興味を持ち続けて下さい。わからないことがあれば,
とくにそれが洞窟に関することであれば,いつでも質問をして下さい。待っています。
- アイルランドのバレン地方は石灰岩地域としてどのくらい重要性がある地域でしょうか?
- 回答 : 浦田健作
バレン地方は、アイルランドで最もよくカルスト地形が発達しており、地質学、
洞窟学、さらに地形学、水文学、考古学、生物学などの多くの分野において、
国際的に価値の高い、重要な石灰岩地域として著名です。重要度は世界遺産級です。
カルスト地形としての規模は360平方km。石灰岩はアイルランド島の約40%、
アイルランド共和国の約50%の面積を占めており、
石灰岩ならびにカルスト地形はアイルランドを代表する地質、地形といえますが、
その代表地域がバレン地方です。
バレン地方の特徴は、土壌・植生による地表被覆が40%以下と低いため、
ほかの地域(国際的にも)よりも岩盤の露出度が高く、
地表カルスト地形が非常によく発達していることです。特に氷河の侵食で形成された、
石灰岩ペイブメントと呼ばれる石灰岩の平坦な地形が広く分布しており、
氷河カルスト地形の世界的な代表地の一つとされています。
地下の洞窟もアイルランドで最もよく発達しています。カルスト地域の特徴として、
地表河川がなく、これらの洞窟が地下水を貯留するため、
水文地質学に水資源として重要です。
また、海岸に近く、全体に穏やかな起伏で交通の便がよいため、
研究地域や観光資源としてもよく知られています。
最近発行されたバレン地域のカルストについての資料をあげておきますので、
参照されるとよいと思います。
・The Karst of Ireland:Limestone Landscapes, Caves and Groundwater Drainage
Systems.by avid Drew ほか.2000.Geological Survey of Ireland.
*アイルランド地質調査所から発行されたパンフレット。
カルストについての基本事項やアイルランドのカルストについての様々な項目がよくまとめられています。
アイルランド地質調査所から無料で配布しています。
・Exploring the Limestone Landscapes of the Burren and the Gort Lowlands.
by Mike Simms.2001.Burrenkars.com.
*地質・地形・洞窟研究者による一般向けのバレン地域の巡検案内書。
連絡先:landscapes@burrenkarst.com
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キーホールパッセージは飽和水帯でできたチューブの底部に、
水位が下がったために自由水帯のキャニオンが形成されたものと理解していますが、
これに似た形状の通路で、8の字の底の部分に土が堆積した形状を数多く目にしました。
個人的には、勝手にΩ(オメガ)トンネルと呼んでいましたが、
こうした通路はどのような経緯でできるのでしょうか。
- 回答 : 浦田健作
この説明だけでは立体的な形態がよくわかりませんが、いくつかの可能性をあげて
みます。
1)鍵穴通路(キーホール・パッセージ)の底に粘土が堆積したもの。
質問で言及されている鍵穴通路が形成されたのちに、地下川の流れが緩くなり、
床に粘土が堆積した。
2)溶食割れ目通路(フレアティック・リフト)の底に粘土が堆積したもの。
飽和帯溶食で形成された洞窟通路の中で、断面形が円形のものが管状
(チューブ)通路ですが、断面形が細長いものは溶食割れ目通路や飽和帯割れ目
通路と呼ばれます。垂直の割れ目にそって形成された溶食割れ目通路は
上方末端は管状通路のようになめらかに閉じているため、鍵穴通路と似ている
ことがあります。鍵穴通路と違って飽和帯侵食だけで形成され、通気帯(自由水帯)
環境に移行したあとも地下川が激しく流れることがなかったので、蛇行やノッチ
などの地下川の侵食による峡谷地形は見られません。
3)パラジェネシス通路
飽和帯において通路が粘土で埋積され、天井の石灰岩と粘土との
わずかの隙間を流れる地下水によって天井が上方に侵食される。侵食されて
できた空間は次々に粘土で埋められていくため、上方への侵食が続き、粘土で
埋まった状態の峡谷通路が形成される。このような空洞拡大過程はパラジェネ
シスと呼ばれています。パラジェネシス拡大の後に、地下水の流れが激しくなる
と粘土が除去されて、峡谷通路が空洞化します。
上記1)2)との違いは、壁や天井にパラジェネシス特有の侵食地形である
ペンダントや半管状溝(ハーフチューブ)を伴うことや、鍵穴通路の管状通路部分
や溶食割れ目通路に見られる割れ目が必ずしも存在しないこと、峡谷の蛇行軸
が下流側斜め上方に傾いていること(下刻作用では蛇行軸は下流側斜め下方に
傾斜する)などです。
以上の3つは典型的な形成過程ですが、これらが重複している場合も考えられ
ます。私の直感では、パラジェネシス通路である可能性が高いように思います。
- 乳白色の鍾乳石に強い光を当て消した後に薄緑の蛍光色に光りますが、何故ですか?
- 回答 : 吉村和久
この現象はリン光と言います。紫外線を含めて電磁波を鍾乳石に当てているときに、
当てている電磁波の波長よりも長い波長の電磁波
(それが可視域の電磁波の場合に光として我々は認識する)現象には、2通りあります。
1つは蛍光、もう1つがリン光です。当てるのをやめるとすぐに光らなくなるのが蛍光、
持続するのがリン光と呼び分けています。
このような現象を説明するためにはかなり難しい言葉が必要になります。
したがって、そこは省きます(結晶内の格子欠陥、微量金属イオン、
有機物などが関係します)が,非常に微弱な光が出る場合を含めると、
それほど珍しい現象ではありません。
-
米国のウエストバージニア州のグリーンビルソルトピーターケイブの洞窟内を歩いているときに、
突然パコーンというかカシャーンというか、
ちょうどジュースやビールのアルミ缶を足で踏み潰したような音を何度か聞きました。
そのたびに、他のパーティーが近くにいるものと考え、
耳をすまして音がした方向に注意を傾けるのですが、その後は何の音も聞こえません。
トータルで約100時間ほどをこの洞窟内で過ごしましたが、
その間に3〜4回くらいこの同じ音を聞きました。そのいずれの場合も、
近くに人の気配はありませんでしたので、水滴が落ちた音が、
ある特殊な条件のもとで反響してこのような大きな音になったとも推測してみました。
どのようなメカニズムでこのような音が聞こえるのでしょうか、お教えください。
- 回答 : 吉村和久
Saltpeter Caveの由来は、おそらく硝酸カルシウムがこの洞窟から産出したためでしょう。
黒色火薬の原料として,古くから洞窟内堆積物が採掘されていました。
この鉱物は水に非常に溶けやすく,洞窟はかなり乾燥しているものと考えられます。
洞窟内の割れ目などにしみ込んだ水から、蒸発に伴って塩が析出する事がありますが、
その際に破壊が起こることがあります。これに関しては,浦田さんが詳しいのでコメントお願いします。
でも、頻繁に起こっているようですから,私の想像は間違っているかもしれません。
- 回答 : 浦田健作
Hill(1981)によると「Saltpeter caves」とは、洞内の非有機的な砕屑堆積物
(砂や粘土)中に高濃度の硝酸が含まれている洞窟です。「Guano caves」は含みません。
硝酸塩鉱物が産出するわけではないそうです。
吉村さんのイメージは、砂漠などの乾燥地域の洞窟でおこる結晶破壊作用だと思いますが、
このGreensville Saltpeter Caveは湿潤なアパラチア山中に位置しており、
硝酸が産出する場所は乾燥しているものの、
目視できるような結晶を作ってはいないようなので、音がするほどの破壊がおきているかは疑問です。
いくつか文献を調べてみましたが、そのような音についての記述はありませんでした。
アメリカの「Saltpeter caves」は、乾燥した南西部にはなく、
アパラチア山脈からケンタッキーにかけての比較的温暖湿潤な地域、
ウエスト・ヴァージニア、ヴァージニア、ケンタッキー、テネシー、
アラバマなどの各州に限定して分布しています。
ニューメキシコ州なのどの乾燥地域の洞窟、例えばカールズバッドキャバーン、
からは硝酸カルシウムなどの鉱物が産出しますが、
採掘できるほど硝酸が集中してはいません。
Hill(1981)では、洞窟分布とカシ−クルミ林の分布範囲がよく一致することを指摘し、
洞内の硝酸の起源は地表の土壌中で生物活動によって生産されたものが地下水によって洞内にもたらされて堆積したものであり、
気温・降水量・植生などの環境条件によって分布範囲が限定されたと結論しています。
・Hill, C.A.(1981):Origin of cave saltpeter.NSS Bull.,43,110‐126.
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