洞窟Q&A(生物・人類・考古・古生物・気象)
- コウモリは人を襲いますか
- 洞窟の気温や湿度はどういう特徴がありますか?
- 日本にも壁画や古代人の痕跡が残っているような洞窟は存在しますか。
- 洞窟に生息する生き物は、どの国も同じ種類のものなのですか?
- 洞窟で生活している生き物の名前をいくつか教えてもらえますか?
- 洞窟の中には、生き物が食べるような食べ物はあるのですか?
- 洞窟の中は暗いので目などが退化した生き物がいると思うのですが、
その生き物の名前やどのように退化したのかも教えてもらえますか?
- 地上で生活している生き物と、
洞窟の中で生活している生き物のちがいなどを教えてもらえますか?
- 暗い所で生活している生物は何種類ですか?
- 洞窟にいるコウモリのエサは何ですか?
- 洞窟にいる生物は何種類ですか?
- 洞窟にいるヤスデは何種類ですか?
- 洞窟には植物はありますか?
- 暗い所でのエサの見つけ方を教えてください?
- コウモリは人を襲いますか
- 回答 : 後藤 聡
襲いません。日本の洞窟に住むコウモリは、もっぱら虫を主食としています。
ただし、狭い通路などにいるときに誤って体当たりをしてくるコウモリが稀にいます。
- 洞窟の気温や湿度はどういう特徴がありますか?
- 回答 : 後藤 聡
洞窟の中の気温や湿度は地上の気温や湿度変化と大きく異なります。水流の有無や、洞窟の規模、洞口の位置などによって、
状況は変わりますが、概ね洞窟のある付近の年平均気温とほぼ等しい気温に一年を通して保たれ、湿度は100%近い多湿な環境になります。
ただし、洞口に近い位置や、水流の付近では外気や水温の影響を受けるため季節変化や昼夜の日変化が生じます。
こうした事から洞窟は、冬は暖かく、夏は涼しいという環境となるのです。
- 日本にも壁画や古代人の痕跡が残っているような洞窟は存在しますか。
- 回答 : 近藤純夫
いくつか確認されています。一例として北海道後志支庁余市郡にあるフゴッペ洞窟には、
いまから2000年前と推定される原始絵画模様や彫刻が200ほど壁面全体に描かれています。
時代をどこで区切るか不明ですが、中世にも、たとえば鎌倉では洞窟壁画が描かれています。
- 洞窟の中で虫のような生き物を見たのですが、
洞窟に生息する生き物は、どの国も同じ種類のものなのですか?
- 回答 : 小野寺秀和
洞窟に生息する生物は、国あるいは地域によっても違います。
たとえば、コウモリ(周期性洞穴生物)の場合でも、世界に約1000種類
(1説では、約2000種類)生息し、その内日本には約30種類生息しているに過ぎません。
ユーゴスラビアの洞窟には、プロテウスという名前のホライモリの1種が生息していて、
このイモリには眼が無く、体の色も白色です。
他に、メキシコにはメナシウオという眼の無い魚もおりますが、
これらの種類は日本には見られません。
このように、洞窟生物は国や地域によって生息する種類も異なりますが、
同じ国や地域でも、洞窟によっても種が異なる生物さえいます。
- 洞窟で生活している生き物の名前をいくつか教えてもらえますか?
- 回答 : 小野寺秀和
質問4にあるホライモリやメナシウオの他に、メクラトゲトビムシ、メクラヨコエビ、
オビヤスデ、ガロアムシ、メクラチビゴミムシ(以上学名)
や参照ホームページ:
カニムシ、オオゲジ、ムカシエビがいます。ホラヒメグモというクモ類やミズダニの仲間もいます。
- 洞窟の中には、生き物が食べるような食べ物はあるのですか?
- 回答 : 小野寺秀和
種類は限られていますが、洞穴生物の生息する洞穴には、あります。
洞窟に生息する生物の食べ物は、洞窟を好んで棲み家とするコウモリやアナグマ、
ネズミなどの動物の糞が、洞穴生物の食べ物の根源と言えるでしょう。
特に、グアノと呼ばれるコウモリの糞は、洞穴生物の無くてはならないご馳走と言えます。
糞そのものが食物になる場合もありますが、それらの糞にはカビ等の菌類やバクテリアが繁殖します。
その菌類やバクテリアがヨコエビやトビムシあるいはムカデの食べ物になり、
それらの小さな生物がより大きなホラヒメグモなどの餌になるといった、
一つの洞窟の中での食物連鎖が成り立っています。
ちなみに、糞を生産するコウモリは、夜に洞窟の外に出て、
蚊や蛾などを捕らえて食べます。(フルーツを食べるコウモリもいますが)
- 洞窟の中は暗いので目などが退化した生き物がいると思うのですが、
その生き物の名前やどのように退化したのかも教えてもらえますか?
それから、目以外にも退化する場所はあるのですか?
- 回答 : 小野寺秀和
眼の退化した洞穴生物として、質問5の回答にもあげたメナシウオ、メクラトゲトビムシ、
メクラヨコエビ、ガロアムシ、メクラチビゴミムシなどがあります。
暗い洞窟の中で何代にもわたって繁殖を繰り返すうちに、
暗く過酷な洞窟環境により適応しようと退化(退行進化という進化)する部分が出てくる訳です。
眼が無くなってしまう他には、暗い所なので体の色素も無くなり、白色や半透明な体色になったりします。
逆に退化して無くなるばかりではなく、
暗い洞窟では眼が要らなくなるかわりに触角や足が長くなる特徴もあります。
- 地上で生活している生き物と、
洞窟の中で生活している生き物のちがいなどを教えてもらえますか?
- 回答 : 小野寺秀和
質問7の回答と重複しますが、洞穴生物の方が、体の色が白っぽく、触角が長いなどのほかに、
太陽光線や極端な風雨にさらされる事も無いので、皮膚も薄くなるという外見的な特徴があります。
こうした外見的な特徴の他に、洞穴生物はちょこまかちょこまかとすばやく動き回っていては、
なかなか食物の厳しい洞窟環境では生きていけないからなのか、
同じ種の生物でも地上のものと比べて動作もゆっくりなような気がします。
これは、コウモリが餌である昆虫の少ない冬の間を冬眠して過ごし、
体力の消耗を防ぐように、体力温存のための知恵なのでしょうか。
参照ホームページ:http://www2.dango.ne.jp/ryugashi/sc-contents.html
- 暗い所で生活している生物は何種類ですか?
- 回答 : 西川 喜朗
洞窟の中や土の中のものまで入れると何万という数でしょうが,
数はまったく判りません.
- 洞窟にいるコウモリのエサは何ですか?
- 回答 : 西川 喜朗
夜に洞窟の外に出て,蚊や蛾などの昆虫類を食べます
- 洞窟にいる生物は何種類ですか?
- 回答 : 西川 喜朗
日本では500〜1,000種ぐらいです
(洞窟性のクモは約80種が知られています.)
- 洞窟にいるヤスデは何種類ですか?
- 洞窟には植物はありますか?
- 回答 : 西川 喜朗
ありません.光が入らないので.光合成をする緑色植物は生息できません.
ただし,細菌類やカビ類は生息します.
- 暗い所でのエサの見つけ方を教えてください?
- 回答 : 西川 喜朗
餌の動物の臭いや動いたときの振動を感じて,
クモではアミの糸に餌の動物がふれた振動などでみつけます.
Back to FAQ