洞窟Q&A(火山洞窟)
- なぜ溶岩洞で氷は上に向かって伸びるのですか?
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この前の修学旅行で、富士山の風けつ洞窟に、行きました。
そこは、氷だらけで、しかも、氷が上に向かって伸びていました。
なぜそうなるのですか?あと、氷の塊をよく見ると、つぶつぶ
したものが集まっているように見えます。そのことも教えて下さい
お願いします。
- 回答 :近藤純夫
富士山にある洞窟は火山の噴火で流れ出した熔岩が作りだしたものです。
できかたにはいろいろなパターンがありますが、共通しているのは、
天井の厚みがそれほどないということです。
洞窟によっては天井から地上の植物の根がぶらさがっていることもあるほどです。
それほど薄い天井ですから、雨が降ったりすると、
雨水は土壌と洞窟の天井部を浸透して洞窟内に落ちてくることになります。冬期にはこれが凍って、
天井に巨大な氷柱(ツララ)をつくることがあります。富士山では富士風穴第一や本栖風穴第一、
本栖風穴第二などに大きな氷柱が発達します。
この氷柱の先から水滴が床に落ちると、氷筍(ひょうじゅん)と呼ばれるものをつくります。
石灰岩の洞窟にある石筍と形状が似ています。氷筍があるときは天井部を観察してみてください。
富士風穴の氷生成に関する大学の研究によると、冬には外から冷気が入り口から流入し、
洞窟内の壁や氷が冷やされる。ここに地下水が流れ込み氷が成長していくと考えられるそうです。
また、夏は暖かい空気が洞窟内に入りにくいために氷が溶けきらずに残っているそうです。
つぶつぶというのはよくわかりませんが、暖かい季節になって洞窟内の気温が上昇したとき、
氷筍の氷がゆるんで全体に細かな亀裂が入ったものではないでしょうか?
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