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ケイビングの基本装備



  • 基本装備
  • その他の追加装備
  • 食料、緊急時の対応

    Lunch
    洞窟内での昼飯
    携帯が便利な食事が多い

    食物とエネルギー

     ケイビングは、興奮的な活動である。深く、長い洞窟への長い時間の探検はとても困難で、 多くのエネルギーと筋力が要求される。  狭い洞窟や、竪穴を上下するには体のほとんどの筋肉を使う。そのための訓練は普段行わなければならないし、 やさしい洞窟でも、日常の生活を越える能力を要求する。
     筋肉を動かすにはエネルギーが必要である。 予想されるケイビング活動を支えるためにエネルギーを体内に蓄えるかまたは、 食糧を運ぶかしなければならない。 エネルギーが十分にあることはとても重要なことである。 大きな力を必要とすれば、より大きなエネルギーを要求する。 エネルギーが不十分であると、疲労がゆっくり進行し、最後に完全な動けなくなってしまう。 寒い洞窟では低体温症は迅速に始まり、そして、疲労から来るさまざまな症状が現れるかもしれない。
     活動するのに十分なエネルギーを得るための一番最初の機会は、 探検の前に食べる食物による。炭水化物を多く含み、 探検が始まる少なくとも1時間前に行う食事が良い。 食事後、すぐに利用できるエネルギーになるわけではないので、多少の時間を置かなければならない。 脂肪と蛋白質は消化に時間がかかるので、直前や活動中の食事としては価値はない。 炭水化物は、糖に変換され余分な糖はグリコーゲンに変換され肝臓と筋肉に蓄えられる。 これは、血糖値のレベル低下につれ糖に再度変換される。
     活動中の昼飯などの食事もやはり炭水化物を中心とした食事で、パンや米飯類が多い。 麺類は洞窟内での調理が必要となってしまうので、長期に渡る滞在でなければあまり用いられない。  行動中に血糖値が下がった場合、血糖値を上げるために効果的なのは、 砂糖のような糖分を多く含む食品である。飴、チョコレートなどは、すべて有益である。 脂肪の多い食品は、消化に時間がかかるので有益ではない。 飴やチョコレートの小さな包みは、各自が常に運ばれるべきであり、適時消費されるべきである。
    これらは、血糖値の維持を助け、疲労などを防ぐ。


    行動計画設定

     洞窟の中での事故は、たとえどんなに注意しようとも、経験や予防策に関係なくどんなケイバーにでも起きえる。 数人のパーティであれば、誰かが助けを呼びに行くこともできるが、洞窟に詳しい人が怪我をして、 動ける人がケイビングの経験が少なければ、洞口まで確実に行けるかどうかも疑わしくなるし、危険である。 また洪水のような事態であれば、誰も外に出ることはできない。迷子であっても同様である。
     そのため、ケイビングを行う前には行動計画を立て、その計画を誰かに知らせておかなければならない。
    必要な事項は、
  • 何処の洞窟のどの場所に行くのか
  • 誰が行くのか(名前、住所、連絡先など)
  • 入洞予定時刻と出洞予定時刻、レスキュータイム(この時刻までに連絡が無い場合に救助態勢を発動する)
  • 在郷連絡先(入洞する日に連絡のつく人で、住所や電話番号など)
    などである。
     この計画を在郷連絡者に知らせ、またパーティの各個人も在郷連絡先や互いの連絡先を把握しておく。 そして、無事出洞したならば、在郷連絡先に連絡を入れるのである。 もし、レスキュータイムまでに連絡がなければ、 在郷連絡人は速やかに関係者に通知し救助体制を整え救助に向かわなければならない。
     また、レスキュー活動には多額の費用がかかるかもしれない事を覚えておくべきだろう。 洞窟によっては、地元の警察や消防などのレスキュー隊による救助が困難な場合があり、 他のケイバーを呼ばなければならないかもしれない。 そうした場合の交通費や食費などが事故を起こしたパーティの負担となるだろう。 過去、日本で発生した事故においてかかった費用は10−200万円程度である。 費用の差を生む要因は、洞窟の場所、そして動員したケイバーの数による。
     このため、計画の実施に際しては、保険を掛ける事が望ましい。 ケイビング保険洞窟救助協会によって提供されているし、 短期の旅行保険を掛ける事も可能である。


    事故時の対応

     もし事故が起きても、必ずしも死者がでるわけではない。しかし、有効な手だてを行わなければ、 事態はより一層悪化する。 いくらかの知識と少しの装備が利用できるならば、事態の悪化を防ぐことができるかもしれない。  何かの悪い出来事が起きたならば、パーティは事態の悪化を防ぐために適切な対応をとらねばならない。 最初は、その場所でのより一層の危険の評価、もし可能ならばその除去、そして必要なファーストエイドの実行である。 2番目は、もし洞窟での長期の滞在を余儀なくされるならば、体力の温存を行うことである。


    即座の対応


    1. 状況の評価
    2. よりいっそうの危険から避けるための安全な位置への移動
    3. ファーストエイド:気道確保、呼吸確認、脈拍確認、出血、頭の検査、処置
    4. セルフレスキュー/洞窟の外へのメッセージ

    状況の評価
     立ち止まり、状況を評価せよ。災難が発生したのが自分のパーティのメンバーであるかどうか、 または、他の誰かに発生したのか。また、他のパーティで起きた災難にあなたが呼ばれるかどうか。 最初に優先すべき事は、立ち止まり、状況を評価することである。 まわりの状況を注意深く調べ、特に浮き石、滝、滴下水などのより一層の危険の兆候を調べることである。 調べることは死傷者(もしあれば)の周辺の環境と、何か他の状況と関係である。 この評価は、できる限り迅速に実行されるべきである。しかし、急ぎすぎて判断を誤ってはならない。

    よりいっそうの危険から避けるための安全な位置への移動
     もし、あなたが行った評価によって、死傷者またはあなた自身のどちらかに、 より一層の危険を及ぼすの可能性がある事態が明らかになったならば、それを避けなければならない。 2つの方法がある。一つは危険を及ぼす源を移動することであり、 もう一つは危険の源の影響しない場所へ移動することである。 しかしながら、脊髄のダメージの可能性がある場合は、今まさに危険な状況になっているなど、 絶対的に必要でなければ、動かさないほうが良い。

    Rescue
    レスキュー訓練で担架を運んでいる
    レスキューは困難さを伴う
    ファーストエイド
     ファーストエイド(応急措置)はアウトドアで活動をする人に普遍的に要求されるもので、 ケイビングだからといって、取りたてて特殊なものではない。 異なるとすれば、乾燥して平らな場所を得にくく、泥や水にまみれたり、 岩の隙間に身を置くしかないかもしれないことだ。  ファーストエイドの細かな方法については、消防や赤十字などで行われている講習を受けて学べば良い。
    ここでは簡単に述べるが、優先しなければならない事項は

    セルフレスキュー/洞窟の外へのメッセージ

     ファーストエイドが終わったならばすみやかに状況を把握し、決断しなければならない。 それは負傷者を動かさず、外部の救援を求めるか、自らのパーティだけで脱出するかである。 しかしながら、洪水などで閉じ込められた場合には選択の余地はない。
     負傷者が明らかに担架を必要とするなどのひどい負傷を負っていても、 目前に迫っている緊急措置が終わるまでは、この判断は保留されることがある。 目前の措置が終わり、状況が把握され外部へメッセージを持って出る人員の余裕ができたなら、 外部へと助けを求めに行く。この際には、事故の状況、怪我の部位・程度、負傷者の氏名、連絡先、 洞窟の名前、洞窟内の場所、負傷者に付き添っている人、行った措置、洞窟内の状況(特に水関係)、 必要とする装備などの情報をメモして持っていくべきである。メモを取ることで、状況が整理され、 パニックに陥っていても必要な情報を救助パーティに伝えることができる。 メモはファーストエイドキットの中に入っているはずだ。
     助けを求めに行く人は2人以上で、また負傷者には1人以上が付き添わなければならない。 このことから一つのパーティの最低人数は4人以上が望ましいことが分かる。 3人以下のパーティの場合には難しい判断を迫られることになるだろう。
     外部へ救助を呼ぶほどの怪我でないならば、セルフレスキューを行う。 しかし、セルフレスキューが可能でも、負傷者が著しく苦しむかもしれないのであれば、救助を呼んだほうが良いだろう。  また同じ洞窟に入っている異なるパーティがいるのであれば、彼らに援助を求めても良い。
    セルフレスキューでは幾本かのスリング、短い長さのロープ、滑車および数個のカラビナがあると、とても役に立つ。 ただし、相応の知識と能力が無ければ、あまり役に立たないかもしれない。
     人数が十分にいる場合には、外部への救援を求めに行った2人を除いた人員で可能な範囲でセルフレスキューを行っても良い。 一般に救助パーティがやってくるのには時間がかかるので、レスキューにかかる時間を短縮できるだろう。

    blanket>
    スペースブランケットで寒さを防ぐ
    足元には蝋燭がある

    生存のための対応

     もし、洞窟で長期にわたる滞在をしなければならない状態にあるならば、5つの問題がある。
     これは、負傷者を動かすのことが都合が悪すぎるか、 洪水によって上ってくる水によってであるかもしれない。 あなたが実際に洞窟に滞在しなければならない期間が判らないということが、 大きな問題であるという事を知るべきだろう。
    1. 光の供給
    2. 熱損失からの保護
    3. 食物
    4. 位置の選定


    光の供給
     光なしでは、洞窟では一切の活動ができなくなるので、 光の確保はあなた自身を守るために優先しなければならない。 もし可能ならばろうそくを使用する。これは電気ランプの使用を最小にでき、 カーバイドランプへの給水を絶つことができる。
     洪水の場合は、全ての明かりを消さなければならない。 洪水は水が引くまでに非常に長い時間を要するかもしれないからだ。 しかし、負傷者の状況の変化を監視しなければならないならば、 1つの光を灯さなければならないだろう。光は心理的に負傷者を援助するだろう。

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    スペースブランケットで作った簡易テント
    熱損失からの保護
     2番目の重要な対応は、あなた自身を熱損失から守ることである。 低体温症は長期にわたる待機の間に始まり、そして気がつき難い潜行性の危険な状態である。 サバイバルバッグとろうそくによって、あなたは合理的な暖かさを得られるだろう。 1個のバッグの中に2人の人が入ることは、特に有効なアプローチである。
     動けない負傷者はとても危険であるので、ロープ、タックルバック、 利用できる全ての予備の衣類などで可能な限りの熱絶縁を行なうべきである。
    もし、3枚のスペースブランケットと細引き、体の下に敷くことのできるだけのロープ、 そしてろうそく、あるいはカーバイドランプがあるならば、 負傷者のための良い簡易テントを作ることができる。

    食糧
     体温を生成するにはエネルギーを必要とする。 それ故に規則正しい間隔で少量の食物を食べなければならない。 むろん、その量が十分であるように配慮する。 どのくらいの時間、洞窟に滞在しなければならないかの時間の見積もりは、 パーティの合意によって行うべきで、それによって食糧計画は決まるだろう。

    位置の選定
     もし、あなたが人目につかない支洞に座っているならば、 メインパッセイジに救助パーティに発見されやすいように紙にメッセージを書いてしておかなければならない。 何もしないでいるパーティは、このちょっとしたことのために救助パーティに発見され難く、見落とされる。 そして、より長い洞窟での滞在を余儀なくされるのである。


     喉の渇きを予防し、食べた食物の消化を促進するために少しの水を少しずつ取るべきである。 低体温を進行させる恐れがあるので、一度に多くの冷たい水を飲んではならない。 水を得るために水流へ定期的に訪ずれることは、有益な運動である。 そして、水の状態などの有力な情報を得ることができる。


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